突き歩とは盤上にある歩を進める事です。一番普通に指される手筋だと思いま
す。
まず突き歩1図から。ほとんどの場合先手なら初手は▲76歩か▲26歩(後手な
ら△34歩か△84歩)と突くと思います。
▲76歩は動けない角が動けるようになる突き歩。▲26歩は横にしか利いてない
飛車を縦方向にも働かせようとする突き歩です。
突き歩(前進の歩)

突き歩1図

▲76歩の場合

▲26歩の場合

▲76歩と突いた事で角が動けるようになった。もしも後手が△34歩
ならば▲22角成とする事もできます(交換しなくてもよい)。

▲26歩とした事で飛車がタテにも動けるようになる。
角の頭は弱いので、後手の角の頭を狙っていく。

次に突き歩2図。
矢倉戦で▲36歩と突いたところです。この突き歩は
○▲35歩△同歩▲同角と歩を交換する
○▲37銀から銀を進出させる
○▲37桂から桂馬を活用する
この3つの狙いがある突き歩となります。▲36歩のように突き歩によって歩交換
を狙ったり、駒の進出をスムーズにする突き歩です。

突き歩2図

次に突き歩3図。
相振り飛車戦で出てくる局面で△82銀と上がったところです。ここで▲86歩
と突く手も見えますが△74歩▲85歩△73銀(突き歩3図A)となります。これ
は 飛車先の歩が交換できない上に攻め駒が捌けません。一方後手は矢倉に囲えて玉を
堅 く囲えそうです。後手の△74歩が先手の飛車先の歩交換を拒否し、駒の進出をスムーズにする歩突きです。
3図では▲75歩とこちら側の歩を突きます(突き歩3図B)。
この歩を突けば△74歩〜△73銀という形から矢倉に組まれる心配もない上に、
▲76銀と攻めの銀を前進させることもできます。
▲75歩のように相手に理想形に組ませない、相手の駒の働きを鈍くする、という
ような突き歩もあります。

突き歩3図

突き歩3図A ▲75歩と突かなかった時(*_*)

これで「負け」になるわけではありませんし、互角に近い勝負。
ただ後手は矢倉囲いという堅い囲いにできるので後手も安心
します。また先手は8筋の歩の交換ができないのが不満です。

突き歩3図B ▲75歩と突いた時(^_^)v

先に▲75歩と突いておけば△74歩とはできません。これで勝てるわけではありませんが、細かいポイントを稼いだと言えます。左の図に比べて後手の玉が少し狭く感じ
ませんか?

自分の駒が進む道を作る
次に歩の交換を狙う
相手の駒を自由にさせない

★突き歩のおさらい★

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